『夜遊び　と　オマワリさん』


雪降りしきる今日の夜、
卒業生Yからメール。

『車ぶつけられた。
　でも相手がいい人で良かった。』

なんでも外でぶつけたことを
彼女が働いていたお店に言いにきてくれたそうだ。
そのまま逃げてしまう人だっている。
確かにいい人だ。
雪ですべったんだろうか。

彼女はすぐに警察を呼び、
やがて近くの交番にいたオマワリさんが
やってきた。

そして一言、

『なんだ、お前か』



な、なんだお前か、とはなんだお前このやろー（怒）



という話ではない。

そのオマワリさんは
彼女が中学生の頃も
その交番のオマワリさんだったという。

『夜遊びしててさ、
　そしてら見回りのぉまわりに会って、
　そん時、
　いろんな話聞いてもらったんだぁ』

夜遊びするとどうとか
オマワリさんの任務がどうとか
そういう話ではない。

めっちゃくちゃたくさんの人たちを
日々相手にしているだろうオマワリさんが、
１０年近くも昔の日々の
たったひとコマの出会いの
あの時の少女に再開し、
言えるだろうか
この一言。

『なんだ、お前か』

すげぇよ、どこぞやのオマワリさん。
俺は感激したぞ～

学校の先生の中にだって
卒業生に街で会ったら
目を反らす先生もいるんです。
「お久しぶりです」と
話をしたってなぜかこちらではなく
牛丼屋の壁と向かい合いながら
会話をする先生だっているんです。
（いやいや、これは笑い話だった）

子どもたちはいつだって
自分の存在価値を模索している。
「ちゃんと見てくれている」
「ちゃんと聞いてくれている」
たとえばたったそれだけのことでいい。

嬉しい。今日は良い日だった。ありがとう。

きっと当時のオマワリさんは
いろんな物を背負って不器用に生きてた不良少女を
そんな気持ちにさせてあげたんでしょうね。

そしてオマワリさんは１０年後、
たった一瞬、たった一言で、
再度少女の存在価値を公定し、
彼女の心を温めるわけです。

『なんだ、お前か』

この無骨さ（笑）
綺麗ごと言うだけの先生よりはよっぽど先生だし、
心見えてるフリしてるだけの相談室より
よっぽど見透かしてるぜ～。
最高だぜ～。


そして卒業生Yは、こう締めくくる。

『でも良く考えたら、
　アタシなんも変わってないってことでしょズコッ』


俺はお前にズコッだ！！！！！！






http://www.youtube.com/watch?v=nWh2dbuZxvo